はじめに

子育てや教育の現場でよく聞く言葉があります。
「怒ってしまった……」
「本当は叱りたいのに感情的になってしまう」
多くの保護者は子どものためを思って注意しています。しかし、その注意が「怒る」になっているのか、「叱る」になっているのかによって、子どもへの影響は大きく変わります。
今回は「怒る」と「叱る」の違いについて考えてみましょう。
怒るとは何か
怒るとは、自分の感情を相手にぶつける行為です。
例えば、
- 宿題をやらない
- 約束を守らない
- 部屋を片付けない
こうした状況で、
「何回言ったら分かるの!」
「いい加減にしなさい!」
と声を荒げることがあります。
もちろん保護者にも事情があります。
仕事で疲れている。
家事に追われている。
何度言っても改善しない。
そうしたストレスが積み重なり、感情が爆発してしまうのです。
しかし、このときの目的は「子どもを成長させること」ではなく、「自分のイライラを発散すること」になりがちです。
子どもは内容よりも感情の強さを受け取ります。
その結果、
- 怖いから従う
- 怒られないように隠す
- 本音を言わなくなる
という行動につながることがあります。
叱るとは何か
一方で、叱るとは相手の成長を目的として行う指導です。
叱るときには、
- 何が問題だったのか
- なぜ問題なのか
- どうすれば良かったのか
を冷静に伝えます。
例えば宿題をやらなかった場合、
「宿題をやらないと先生が困るからダメ」
ではなく、
「毎日少しずつ取り組む習慣を作るために宿題があるんだよ」
「今日はどうしてできなかったのかな?」
というように理由と改善策を一緒に考えます。
叱ることの目的は、子どもを否定することではありません。
行動を改善し、次により良い選択ができるよう導くことです。
子どもが受け取るメッセージの違い
怒られた子どもは、
「自分はダメな人間なんだ」
と感じやすくなります。
一方、叱られた子どもは、
「今回の行動が良くなかったんだな」
「次はこうしてみよう」
と考えやすくなります。
つまり、
怒る=人格を否定しやすい
叱る=行動を改善する
という違いがあります。
教育において大切なのは、子どもの存在そのものを否定しないことです。
「あなたが悪い」ではなく、
「その行動は改善した方がいいね」
という視点が重要になります。
不登校や学習面で特に注意したい理由
不登校や学習につまずいている子どもは、すでに大きな不安やプレッシャーを抱えていることがあります。
そんなときに感情的に怒られると、
- 自信を失う
- さらに自己否定が強くなる
- 親との会話を避ける
という悪循環が生まれやすくなります。
反対に、
「どうしたの?」
「何に困っているの?」
と叱る前に状況を理解しようとする姿勢は、子どもに安心感を与えます。
安心感は学習意欲や自己肯定感の土台になります。
感情的になってしまうのは自然なこと
ここで誤解してはいけないのは、保護者が怒ってしまうこと自体が悪いわけではないということです。
人間ですから感情があります。
毎日完璧に対応できる人はいません。
大切なのは、
「今のは怒ってしまったな」
「本当はどう伝えれば良かっただろう」
と振り返ることです。
怒らない親を目指す必要はありません。
子どもの成長を目的として関わろうとする姿勢こそが大切なのです。
まとめ
怒ると叱るは似ているようで大きく異なります。
怒るとは、自分の感情を相手にぶつけること。
叱るとは、相手の成長を願い、より良い方向へ導くことです。
子どもは親の言葉そのものだけでなく、その背景にある思いも感じ取っています。
感情に任せて怒るのではなく、
「この子が成長するためには何を伝えるべきだろう」
という視点で関わることができれば、親子関係はより良いものになっていくでしょう。
子どもを変えようとする前に、まずは関わり方を少し見直してみる。
その小さな変化が、子どもの大きな成長につながるかもしれません。
実際の例はこちらから
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