はじめに

時間がない。って状態は普通なことです・・・。

時間がないです・・・。

普通にしてたらそうなるよね・・・。

どうすれば?

じゃあ検討してみようか♪

はじめに

「先生、勉強した方がいいのは分かっています。でも、本当に時間がないんです。」

家庭教師として生徒と話していると、このような相談を受けることがあります。

学校から帰れば疲れている。

部活動もある。

宿題もある。

夕食やお風呂もある。

少しくらいゲームもしたいし、スマートフォンも見たい。

そうしているうちに一日が終わってしまう。

本人としては、「勉強したくない」のではなく、「勉強する時間が見つからない」と感じています。

しかし、実際に一日の過ごし方を一緒に確認してみると、時間そのものがないのではなく、使い方が整理されていないことも少なくありません。

今回は、「平日は勉強する時間がない」と話していた生徒が、家庭教師と一緒に生活を見直し、自分でも無理なく続けられる勉強時間を見つけていく様子をご紹介します。



本当に時間がないんです

その日の授業で、私は生徒に一週間の家庭学習について聞いてみました。

🔵 講師

「今週は家でどれくらい勉強できた?」

🔴 学習者

「ほとんどできませんでした。」

🔵 講師

「何か忙しかった?」

🔴 学習者

「毎日忙しいです。」

少し強めの口調でした。

🔵 講師

「どんな感じ?」

🔴 学習者

「学校が終わって、部活して、家に帰ったらもう疲れてます。」

🔵 講師

「帰るのは何時くらい?」

🔴 学習者

「6時くらいです。」

🔵 講師

「寝るのは?」

🔴 学習者

「11時半くらい。」

私は少し考えました。

🔵 講師

「じゃあ、帰宅から寝るまで五時間半くらいあるんだね。」

🔴 学習者

「でも、その間ずっと暇じゃないですよ。」

🔵 講師

「もちろん。だから一回、中身を見てみよう。」

🔴 学習者

「中身?」

🔵 講師

「6時から11時半まで、何をしているか。」

生徒は少し面倒そうな顔をしました。

🔴 学習者

「勉強時間を増やすために、ゲーム禁止とか言うんですよね。」

🔵 講師

「まだ何も言ってないよ。」

🔴 学習者

「親には言われます。」

🔵 講師

「じゃあ今日は、禁止する話じゃなくて、実際に時間を見てみよう。」


私はノートに時間を書きました。

18:00 帰宅

🔵 講師

「帰ったら最初に何する?」

🔴 学習者

「着替えます。」

🔵 講師

「そのあと?」

🔴 学習者

「スマホ見ます。」

🔵 講師

「何分くらい?」

🔴 学習者

「20分くらい。」

私は黙って生徒を見ました。

🔴 学習者

「……30分くらい。」

🔵 講師

「本当は?」

生徒が笑いました。

🔴 学習者

「一時間くらいのときもあります。」

🔵 講師

「なるほど。」

私はノートに、

18:15〜19:00 スマホ・休憩

と書きました。

🔵 講師

「夕食は?」

🔴 学習者

「7時くらい。」

🔵 講師

「何時まで?」

🔴 学習者

「7時半くらい。」

🔵 講師

「そのあと?」

🔴 学習者

「テレビ見たり、ゲームしたり。」

🔵 講師

「宿題は?」

🔴 学習者

「9時くらいから。」

🔵 講師

「何時まで?」

🔴 学習者

「10時くらい。」

🔵 講師

「そのあとお風呂?」

🔴 学習者

「はい。」

🔵 講師

「寝るまで?」

🔴 学習者

「またスマホです。」

私は一日の流れを書き終えました。

生徒も横から見ています。

🔵 講師

「どう?」

🔴 学習者

「結構スマホ見てますね。」

🔵 講師

「先生もそう思う。」

🔴 学習者

「でも、全部やめるのは嫌です。」

🔵 講師

「やめなくていいよ。」

🔴 学習者

「本当に?」

🔵 講師

「先生が探したいのは、一時間じゃないから。」

🔴 学習者

「じゃあ何分?」

🔵 講師

「まず15分。」


生徒は少し驚きました。

🔴 学習者

「15分だけでいいんですか?」

🔵 講師

「まずはね。」

🔴 学習者

「それならあるかもしれません。」

🔵 講師

「どこにありそう?」

生徒は自分の一日の流れを見ながら考えました。

🔴 学習者

「夕食の前?」

🔵 講師

「何時くらい?」

🔴 学習者

「6時45分から7時?」

🔵 講師

「いいね。」

🔴 学習者

「でも、スマホ見てたら忘れそうです。」

🔵 講師

「じゃあスマホを見る時間にも終わりを決めよう。」

🔴 学習者

「何時まで?」

🔵 講師

「君が決めていいよ。」

生徒は少し考えました。

🔴 学習者

「6時40分まで。」

🔵 講師

「そのあと?」

🔴 学習者

「5分で準備して、6時45分から15分勉強する。」

私はノートに書きました。

18:45〜19:00 家庭学習

🔵 講師

「これならできそう?」

🔴 学習者

「一時間って言われたら無理だけど、15分なら。」


15分で何ができるか考えてみよう

時間は決まりました。

しかし、私はもう一つ確認しました。

🔵 講師

「その15分、何をやる?」

🔴 学習者

「勉強です。」

🔵 講師

「それだと、始めるときにまた迷うよ。」

🔴 学習者

「ああ……。」

🔵 講師

「15分でできることを決めよう。」

私は学校の教材を机の上に並べました。

数学のワーク。

英単語帳。

理科のプリント。

社会の教科書。

🔵 講師

「この中で、短い時間でもできそうなのは?」

🔴 学習者

「英単語。」

🔵 講師

「他は?」

🔴 学習者

「数学の計算問題なら。」

🔵 講師

「いいね。」

🔴 学習者

「理科の用語もできます。」

🔵 講師

「じゃあ15分の日は、そういう勉強を使えばいい。」


私は続けて質問しました。

🔵 講師

「数学の文章問題は?」

🔴 学習者

「15分だと短いかもしれません。」

🔵 講師

「じゃあ、いつやる?」

生徒は考えました。

🔴 学習者

「宿題のあと?」

🔵 講師

「疲れてない?」

🔴 学習者

「かなり疲れてます。」

🔵 講師

「じゃあ休日は?」

🔴 学習者

「土曜日なら午前中は空いてます。」

🔵 講師

「そこに30分くらい取れそう?」

🔴 学習者

「それならできます。」

私はノートに二つの欄を作りました。

平日:短時間でできる勉強

休日:集中が必要な勉強

🔵 講師

「全部を毎日やろうとしなくていいんだ。」

🔴 学習者

「勉強って、毎日同じことをしなくてもいいんですか?」

🔵 講師

「もちろん。」

🔴 学習者

「僕、毎日一時間くらい取れないと意味がないと思ってました。」

🔵 講師

「15分でも、使い方次第では十分意味があるよ。」


私は英単語帳を開きました。

🔵 講師

「例えば今から15分だけやってみよう。」

🔴 学習者

「本当に時間を測るんですか?」

🔵 講師

「測ってみよう。」

タイマーを15分に設定しました。

最初の5分で英単語を確認。

次の5分で、以前間違えた数学の計算問題を二問。

最後の5分で、理科の用語を復習しました。

タイマーが鳴りました。

🔵 講師

「終わり。」

🔴 学習者

「え、もう15分?」

🔵 講師

「どうだった?」

🔴 学習者

「結構できました。」

🔵 講師

「何ができた?」

生徒は数えました。

🔴 学習者

「英単語10個くらい。」

🔵 講師

「うん。」

🔴 学習者

「数学二問。」

🔵 講師

「うん。」

🔴 学習者

「理科も少し。」

🔵 講師

「これを一週間に五日やったら?」

生徒は少し考えました。

🔴 学習者

「結構な量になりますね。」

🔵 講師

「そういうこと。」


その一週間後。

授業の最初に、私は聞きました。

🔵 講師

「15分、できた?」

🔴 学習者

「四日できました。」

🔵 講師

「いいね。」

🔴 学習者

「でも水曜日はできませんでした。」

🔵 講師

「どうして?」

🔴 学習者

「部活が遅くなって、帰ったのが7時過ぎでした。」

🔵 講師

「その日はどうした?」

🔴 学習者

「何もしませんでした。」

🔵 講師

「じゃあ水曜日は、15分じゃなくて5分ならどうだった?」

🔴 学習者

「5分ならできたかもしれません。」

🔵 講師

「忙しい日は5分でもいい。」

🔴 学習者

「5分って勉強したことになるんですか?」

🔵 講師

「英単語5個確認したら、それは立派な勉強だよ。」

生徒は少し考えました。

🔴 学習者

「じゃあ、忙しい日はゼロにしなくてもいいんですね。」

🔵 講師

「そう。時間を減らせばいい。」


私はノートに新しいルールを書きました。

通常の日:15分

忙しい日:最低5分

休日:30分

🔴 学習者

「日によって変えていいんですね。」

🔵 講師

「生活は毎日同じじゃないからね。」

🔴 学習者

「前は毎日一時間って決めて、できないと全部嫌になってました。」

🔵 講師

「それより、続けられる形を作った方がいい。」

🔴 学習者

「なるほど。」


さらに私は、勉強開始までの時間について聞きました。

🔵 講師

「6時45分になったらすぐ始められた?」

🔴 学習者

「それが……。」

🔵 講師

「何か問題あった?」

🔴 学習者

「数学のワークが見つからなくて、探してるうちに時間が過ぎました。」

🔵 講師

「何分くらい?」

🔴 学習者

「10分くらい。」

私は笑いました。

🔵 講師

「15分勉強するために10分探したんだ。」

🔴 学習者

「そうです。」

🔵 講師

「じゃあ、それも変えよう。」

教材を一か所にまとめる。

次にやるページへ付箋を貼る。

筆記用具も同じ場所へ置く。

前の日の夜に、次にやるものを机の上へ置いておく。

🔴 学習者

「そこまでやるんですか?」

🔵 講師

「勉強時間を作るって、時計の中だけの話じゃないんだよ。」

🔴 学習者

「始めるまでの時間も減らす?」

🔵 講師

「その通り。」


翌週、生徒は少し得意そうに話しました。

🔴 学習者

「先生、今週はすぐ始められました。」

🔵 講師

「どうしたの?」

🔴 学習者

「帰る前に、朝のうちに机の上に数学を置いておきました。」

🔵 講師

「自分で考えたの?」

🔴 学習者

「はい。」

🔵 講師

「いい工夫だね。」

🔴 学習者

「6時45分になったら、そのまま開けばいいので。」

🔵 講師

「時間は?」

🔴 学習者

「今週は五日できました。」

🔵 講師

「忙しい日は?」

🔴 学習者

「木曜日は5分だけ英単語をやりました。」

私はうなずきました。

🔵 講師

「前ならどうしてた?」

🔴 学習者

「『今日は時間ないからいいや』って何もしなかったと思います。」

🔵 講師

「今は?」

🔴 学習者

「時間がない日は、短くすればいいって思います。」


それから生徒は、自分で一週間の予定を見るようになりました。

部活動が長い曜日。

早く帰れる曜日。

習い事がある曜日。

休日。

すべて同じ時間で勉強するのではなく、

「月曜日は15分」

「火曜日は20分」

「木曜日は5分でもやる」

「土曜日は30分」

と、自分の生活に合わせて調整し始めました。

ある日の授業で、生徒がノートを見ながら言いました。

🔴 学習者

「先生、前は本当に時間がないと思ってたんですけど……。」

🔵 講師

「今は違う?」

🔴 学習者

「時間がないっていうより、どこで勉強するか決めてなかっただけだったのかもしれません。」

私はその言葉にうなずきました。

「勉強する時間がない」という悩みが、

「今日はどこに勉強時間を入れよう」

という具体的な考え方へ変わり始めていたのです。

そして、生徒が自分で時間をつくれるようになってくると、次は「その時間を何に使えば一番成績につながるのか」という新しい課題が見えてきました。





時間を作るだけでは足りない

次の授業で、私は生徒に一週間の学習記録を見せてもらいました。

以前よりも、勉強できた日は確実に増えています。

15分の日。

20分の日。

忙しい日は5分。

休日には30分。

自分の生活に合わせて、かなり上手に時間をつくれるようになっていました。

🔵 講師

「今週はかなり続いたね。」

🔴 学習者

「はい。時間を決めるようになってから、前よりはやりやすいです。」

🔵 講師

「じゃあ、次は中身を見てみよう。」

🔴 学習者

「中身?」

🔵 講師

「せっかく作った15分を、何に使ったら一番いいか。」

生徒は少し考えました。

🔴 学習者

「好きな教科?」

🔵 講師

「それも一つだけど、成績を上げたいならどうだろう。」

私は最近返された小テストを机の上に並べました。

数学、英語、理科。

🔵 講師

「今、一番点数を上げやすそうなのはどれだと思う?」

🔴 学習者

「数学かな。」

🔵 講師

「どうして?」

🔴 学習者

「計算ミスが多かったからです。」

🔵 講師

「そうだね。」

答案を見ると、解き方そのものは理解している問題が多くありました。

しかし、符号や計算途中のミスで失点しています。

🔵 講師

「じゃあ今日の15分は何に使う?」

🔴 学習者

「数学の計算ミスを直す練習。」

🔵 講師

「いいね。」


私はさらに聞きました。

🔵 講師

「英語は?」

🔴 学習者

「単語を結構間違えてます。」

🔵 講師

「それなら?」

🔴 学習者

「短い時間で単語をやる。」

🔵 講師

「理科は?」

🔴 学習者

「理科は文章問題が分からないです。」

🔵 講師

「5分でできそう?」

🔴 学習者

「難しいと思います。」

🔵 講師

「じゃあ休日の30分に回そう。」

生徒はノートに書き始めました。

短い時間

・英単語
・計算練習
・用語確認

まとまった時間

・数学の文章問題
・理科の計算問題
・英語長文

書き終えると、生徒が言いました。

🔴 学習者

「時間によって、やる勉強を変えればいいんですね。」

🔵 講師

「そう。15分しかない日に、30分必要な問題を始めると途中で終わってしまう。」

🔴 学習者

「前は何でも適当に始めてました。」

🔵 講師

「だから、今ある時間に合う勉強を選ぶ。」

それだけでも、同じ15分の価値は変わります。


それから、生徒は一週間の予定を少し工夫するようになりました。

月曜日。

帰宅後15分。

英単語。

火曜日。

20分。

数学の計算問題。

水曜日。

部活が長いので5分。

社会の用語確認。

木曜日。

15分。

数学の間違い直し。

土曜日。

午前中30分。

理科の文章問題。

私はその予定を見ながら尋ねました。

🔵 講師

「これ、自分で考えた?」

🔴 学習者

「はい。」

🔵 講師

「どうやって?」

🔴 学習者

「短い日は暗記とか簡単な復習にしました。」

🔵 講師

「休日は?」

🔴 学習者

「時間がかかる問題。」

私はうなずきました。

勉強時間を「ただ確保する」段階から、「目的に合わせて使う」段階へ進み始めていました。


しばらくして、学校で定期テストが近づいてきました。

以前なら、生徒は一週間前になってから慌てていました。

しかし今回は、テスト三週間前の段階で自分から相談してきました。

🔴 学習者

「先生、テスト前の勉強って、時間増やした方がいいですよね?」

🔵 講師

「君はどう思う?」

🔴 学習者

「普段15分だから、30分くらいにはしたいです。」

🔵 講師

「毎日30分?」

🔴 学習者

「部活がある日は無理かも。」

🔵 講師

「じゃあどうする?」

生徒は自分の予定表を見ました。

🔴 学習者

「月曜日と木曜日は15分のまま。」

🔵 講師

「うん。」

🔴 学習者

「火曜日と金曜日は30分。」

🔵 講師

「休日は?」

🔴 学習者

「一時間くらいできそうです。」

🔵 講師

「いいと思う。」

🔴 学習者

「毎日同じ時間じゃなくてもいいんですよね。」

🔵 講師

「一週間全体で考えればいい。」

生徒は納得したようにうなずきました。


テスト前の週。

生徒は以前より落ち着いていました。

🔵 講師

「今回は焦ってないね。」

🔴 学習者

「前よりは。」

🔵 講師

「どうして?」

🔴 学習者

「普段から少しやってたので。」

🔵 講師

「何が違う?」

🔴 学習者

「前はテスト前になると、『全部やらなきゃ』って思ってました。」

🔵 講師

「今回は?」

🔴 学習者

「できてないところだけやればいい感じです。」

これは大きな変化でした。

普段から短時間でも家庭学習を続けることで、テスト前の負担が軽くなっていたのです。




時間がない、じゃなくて、時間を作るんですね

定期テストが終わり、結果が返ってきました。

数学は前回より上がっていました。

英語も少し改善しています。

理科は大きくは変わりませんでしたが、以前より空欄が減っていました。

私は点数だけではなく、答案を一緒に見ながら尋ねました。

🔵 講師

「今回、何が一番変わったと思う?」

🔴 学習者

「勉強時間です。」

🔵 講師

「長くなった?」

🔴 学習者

「前よりは増えました。でも、毎日何時間もやったわけじゃないです。」

🔵 講師

「じゃあ何が変わったんだろう。」

生徒は少し考えました。

🔴 学習者

「勉強する時間を先に決めるようになりました。」

🔵 講師

「うん。」

🔴 学習者

「あと、忙しい日は短くしてもいいって分かった。」

🔵 講師

「それも大きいね。」

🔴 学習者

「前は30分できないなら、今日はやめようって思ってました。」

🔵 講師

「今は?」

🔴 学習者

「5分でもやる。」

私は笑顔でうなずきました。


生徒は続けました。

🔴 学習者

「先生、前は本当に時間がないと思ってました。」

🔵 講師

「今も学校も部活もあるよね。」

🔴 学習者

「あります。」

🔵 講師

「生活そのものは、そんなに変わってない。」

🔴 学習者

「はい。」

🔵 講師

「じゃあ何が変わった?」

生徒は自分の予定表を見ました。

🔴 学習者

「時間の使い方です。」

🔵 講師

「そうだね。」

🔴 学習者

「前は、空いたら勉強しようと思ってました。」

🔵 講師

「でも空かなかった。」

🔴 学習者

「はい。」

二人で笑いました。

🔴 学習者

「今は、先に15分だけ入れてます。」

🔵 講師

「それで残りの時間にゲームやスマホ?」

🔴 学習者

「はい。だから別に全部我慢してません。」

🔵 講師

「それが続く理由の一つかもしれないね。」

勉強を増やすために、好きなことをすべてなくす必要はありません。

勉強もする。

休む。

遊ぶ。

眠る。

その中で、自分に必要な学習時間を確保する。

生徒は少しずつ、そのバランスを自分で考えられるようになっていました。


別の日。

私は少し意地悪な質問をしてみました。

🔵 講師

「明日、部活が長引いて家に帰るのが8時になったらどうする?」

🔴 学習者

「5分だけ英単語。」

🔵 講師

「すごく疲れてたら?」

🔴 学習者

「その日は寝ます。」

私は笑いました。

🔵 講師

「それでいいの?」

🔴 学習者

「睡眠削るのはダメなんですよね。」

🔵 講師

「よく覚えてるね。」

🔴 学習者

「次の日に戻ればいい。」

🔵 講師

「じゃあ休日に予定が入ったら?」

🔴 学習者

「午前中が無理なら夕方にします。」

🔵 講師

「予定どおりできなかったら?」

🔴 学習者

「もう一回予定を作り直します。」

その答えを聞きながら、私は成長を感じていました。

最初は、

「時間がないからできません。」

で終わっていた生徒です。

今では、

「今日はどうすればできるか。」

と考えるようになっています。


授業の最後に、生徒が聞きました。

🔴 学習者

「先生、勉強時間って長い方がいいんですよね?」

🔵 講師

「必要な勉強ができるなら、ある程度の時間は必要だね。」

🔴 学習者

「じゃあ僕も、そのうち毎日二時間とかやらないとダメですか?」

🔵 講師

「必要になったら増やせばいい。」

🔴 学習者

「今は?」

🔵 講師

「今の君に大切なのは、何時間という数字だけじゃない。」

🔴 学習者

「じゃあ何ですか?」

🔵 講師

「必要な時間を、自分で作れること。」

生徒は少し考えました。

🔵 講師

「受験が近づけば、今より勉強時間が必要になることもある。」

🔴 学習者

「はい。」

🔵 講師

「でも、時間の作り方を知っていれば、そのときに増やせる。」

🔴 学習者

「なるほど。」

少し間を置いて、生徒が言いました。

🔴 学習者

「『時間がない』じゃなくて、『どうやって時間を作るか』を考えるんですね。」

🔵 講師

「先生が一番伝えたかったのは、それだよ。」


おわりに

勉強時間をつくるというと、好きなことを我慢したり、睡眠時間を削ったり、毎日長時間机に向かったりすることを想像するかもしれません。

しかし、本当に大切なのはそこではありません。

まず、自分が一日をどう過ごしているのかを見る。

15分使えるところを探す。

忙しい日は5分にする。

余裕がある日は少し増やす。

短時間でできる勉強と、まとまった時間が必要な勉強を分ける。

そして、予定どおりいかなければ修正する。

こうした工夫によって、勉強時間は少しずつつくれるようになります。

今回の生徒も、最初は、

「学校と部活があるから時間がない」

と考えていました。

しかし、生活を大きく変えたわけではありません。

ゲームもしました。

スマートフォンも使いました。

休憩も取りました。

それでも、自分の一日の中に15分の家庭学習を置くことから始めました。

その15分が続くようになると、自分で曜日ごとの予定を考え、忙しい日は短くし、休日にはまとまった時間を取れるようになりました。

大切なのは、毎日同じ時間だけ勉強することではありません。

その日の生活に合わせながら、自分に必要な学習時間を自分で確保することです。

時間が余るのを待っていても、なかなか勉強時間は生まれません。

しかし、

「今日はどこに15分入れられるだろう。」

と考えれば、見つかる時間があります。

そして、その小さな時間を大切に使う経験を積み重ねることで、

「時間がないからできない」

という考え方は、

「忙しくても、自分で時間をつくることはできる」

という自信へ少しずつ変わっていくのです。



理論編はこちらから

⑩ 勉強時間の作り方(理論編)

はじめに 「勉強した方がいいのは分かっているけれど、時間がありません。」 家庭教師として生徒と話していると、このような言葉を聞くことがあります。 学校から帰る。 部活動がある。 宿題がある。 夕食を食べる。 お風呂に入る […]

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