はじめに
家では勉強できない・・・。よく聞く相談です。
なんか集中できないんだよね・・・。
そういう人って多いよね。
どうすれば・・・。
いろんな方法があるから、考えてみようか♪
はじめに

「自分の部屋に勉強机があるんだから、そこで勉強しなさい」
家庭では、ごく自然にこんな会話が交わされることがあります。
確かに、自分の部屋には机があります。
教科書もあります。
学校のワークもあります。
静かなので、一見すると勉強には理想的な環境です。
ところが実際には、
机に座ったのにスマートフォンを見る。
少し疲れてベッドに横になる。
漫画が目に入り、読み始める。
気がつけば30分、1時間と過ぎている。
このようなことがあります。
本人も「勉強しなければ」と思っています。
それなのに、なぜか自分の部屋では集中できない。
これは単純に、本人のやる気だけの問題なのでしょうか。
勉強場所を考えるときに大切なのは、「一般的にどこが良いのか」ではありません。
その子が実際に勉強を始められ、集中し、続けられる場所はどこなのか。
今回は、自分の部屋ではなかなか家庭学習が進まなかった生徒が、家庭教師と一緒にいくつかの場所を試しながら、「自分に合う勉強場所」を見つけていく様子をご紹介します。
「ちゃんと机で勉強しているんですけど……」
その日の授業で、私は生徒に一週間の家庭学習について尋ねました。
🔵 講師
「今週は家でどれくらい勉強した?」
🔴 学習者
「毎日、机には座りました。」
🔵 講師
「それはいいね。どれくらい?」
🔴 学習者
「一時間くらい。」
🔵 講師
「毎日一時間?」
🔴 学習者
「たぶん。」
私は少し気になりました。
🔵 講師
「じゃあ数学のワークはどれくらい進んだ?」
生徒はワークを開きました。
一週間で進んでいたのは数ページだけです。
🔵 講師
「英単語は?」
🔴 学習者
「あまりやってません。」
🔵 講師
「理科は?」
🔴 学習者
「……やってません。」
🔵 講師
「一時間、何してた?」
生徒は少し困った顔をしました。
🔴 学習者
「勉強です。」
🔵 講師
「怒らないから、本当のところを教えて。」
しばらく黙ってから、生徒が答えました。
🔴 学習者
「途中でスマホ見てます。」
🔵 講師
「どれくらい?」
🔴 学習者
「ちょっとだけ。」
🔵 講師
「その『ちょっと』は?」
🔴 学習者
「10分くらい。」
🔵 講師
「他には?」
🔴 学習者
「漫画読んだり。」
🔵 講師
「他には?」
🔴 学習者
「ベッドに寝たり。」
私は思わず笑いました。
🔵 講師
「それ、一時間ずっと勉強してる?」
生徒も笑いました。
🔴 学習者
「してないですね。」
私はノートに、
机にいた時間=60分
と書きました。
その下に、
実際に勉強した時間=?
と書きました。
🔵 講師
「実際には何分くらい勉強してると思う?」
🔴 学習者
「30分くらい?」
🔵 講師
「本当に?」
🔴 学習者
「……20分かもしれません。」
🔵 講師
「じゃあ、一時間勉強したというより、一時間部屋にいた感じだね。」
🔴 学習者
「そうかもしれません。」
ここはとても重要なところです。
「机に座っていた時間」と「実際に勉強した時間」は同じではありません。
長時間机に座っていても、途中で何度もスマートフォンを見ていれば、学習は細切れになります。
反対に、20分でも集中して問題を解けば、その方が学習量が多いこともあります。
🔵 講師
「自分の部屋には何がある?」
🔴 学習者
「机。」
🔵 講師
「それ以外。」
🔴 学習者
「ベッド。」
🔵 講師
「うん。」
🔴 学習者
「本棚。」
🔵 講師
「何が入ってる?」
🔴 学習者
「教科書とか漫画。」
🔵 講師
「ゲームは?」
🔴 学習者
「あります。」
🔵 講師
「スマホは?」
🔴 学習者
「持って入ります。」
私はノートに書きました。
ベッド
漫画
ゲーム
スマートフォン
🔵 講師
「なかなか強いメンバーがそろってるね。」
生徒が笑いました。
🔴 学習者
「全部、勉強より面白いです。」
🔵 講師
「それは先生も否定できない。」
私は尋ねました。
🔵 講師
「じゃあ、どうして自分の部屋で勉強してるの?」
🔴 学習者
「勉強って自分の部屋でするものじゃないんですか?」
🔵 講師
「誰が決めたの?」
🔴 学習者
「……分かりません。」
🔵 講師
「家の中で他に勉強できそうな場所ある?」
生徒は少し考えました。
🔴 学習者
「リビング。」
🔵 講師
「そこでやったことは?」
🔴 学習者
「小学生のときはやってました。」
🔵 講師
「今は?」
🔴 学習者
「中学生だから、自分の部屋でやった方がいいのかなと思って。」
🔵 講師
「中学生は自分の部屋じゃないと勉強しちゃいけない?」
🔴 学習者
「そんなことはないです。」
🔵 講師
「じゃあ一回、試してみようか。」
「場所を変えただけで、こんなに違うんですか?」
その日の授業は、いつもの自室ではなく、リビングで一部を行うことにしました。
私は数学のワークを一冊だけ持ってきてもらいました。
ノート。
筆記用具。
数学のワーク。
机の上には、それだけです。
🔴 学習者
「教科書は?」
🔵 講師
「必要になったら持ってこよう。」
🔴 学習者
「スマホは?」
🔵 講師
「今日は部屋に置いてきて。」
🔴 学習者
「えー。」
🔵 講師
「15分だけ。」
🔴 学習者
「15分なら。」
タイマーを15分に設定しました。
🔵 講師
「じゃあ、このページから始めよう。」
生徒は問題を解き始めました。
一問。
二問。
三問。
途中で一度手が止まりましたが、問題文を読み直して再び解き始めます。
15分後。
タイマーが鳴りました。
🔴 学習者
「もう終わりですか?」
🔵 講師
「何問できた?」
数えてみると、かなり進んでいました。
🔴 学習者
「いつもより多いです。」
🔵 講師
「どうしてだと思う?」
生徒は少し考えました。
🔴 学習者
「スマホがないから?」
🔵 講師
「それもあるね。」
🔴 学習者
「あと、ベッドがない。」
🔵 講師
「大きいね。」
🔴 学習者
「漫画もない。」
🔵 講師
「勉強以外にやることが少ないんだ。」
しかし、生徒は少し気になることがあるようでした。
🔴 学習者
「でもリビングって、テレビついてたら集中できないですよ。」
🔵 講師
「確かに。」
🔴 学習者
「家族も話してるし。」
🔵 講師
「じゃあ、リビングが絶対に正解というわけでもない。」
🔴 学習者
「じゃあどこがいいんですか?」
🔵 講師
「それをこれから探す。」
私はノートに三つ書きました。
① 自分の部屋
② リビング
③ 図書館・自習スペース
🔵 講師
「一週間ずつ試してみよう。」
🔴 学習者
「全部?」
🔵 講師
「できる範囲で。」
🔴 学習者
「何を比べるんですか?」
私はその下に三つ書きました。
始めやすさ
集中しやすさ
続けやすさ
🔵 講師
「この三つ。」
まず一週間、リビングで家庭学習を試すことにしました。
ただし、家族にも少し協力してもらいます。
夕食前の20分。
テレビはできれば消すか、音量を下げてもらう。
スマートフォンは自分の部屋に置く。
机の上には、その日に使う教材だけ。
終わったら自由時間。
一週間後。
私は結果を聞きました。
🔵 講師
「どうだった?」
🔴 学習者
「結構できました。」
🔵 講師
「何日?」
🔴 学習者
「六日。」
🔵 講師
「かなりできたね。」
🔴 学習者
「でも一日だけ無理でした。」
🔵 講師
「どうして?」
🔴 学習者
「家族がテレビ見てて、うるさくて。」
🔵 講師
「その日はどうした?」
🔴 学習者
「自分の部屋に行きました。」
🔵 講師
「勉強できた?」
🔴 学習者
「最初はできたんですけど……。」
🔵 講師
「そのあと?」
🔴 学習者
「スマホ見ました。」
二人で笑いました。
🔵 講師
「じゃあ、自分の部屋が悪い場所なのかな?」
🔴 学習者
「僕の場合はダメなんじゃないですか?」
🔵 講師
「少し変えたらどうだろう。」
🔴 学習者
「変える?」
🔵 講師
「スマホを持っていかない。」
🔴 学習者
「それだけ?」
🔵 講師
「漫画も机から見えにくい場所にする。」
🔴 学習者
「ベッドは動かせませんよ。」
🔵 講師
「ベッドはそのままでいい。」
🔴 学習者
「寝ちゃったら?」
🔵 講師
「まず25分だけ机から動かない。」
🔴 学習者
「25分?」
🔵 講師
「終わったら休憩していい。」
生徒は少し考えました。
🔴 学習者
「それならできるかもしれません。」
次の一週間。
今度は、自分の部屋の環境を少し変えて試しました。
スマートフォンはリビングに置く。
机の上から漫画をなくす。
ゲーム機は見えない場所へ置く。
次の日に使う教材だけを机の横に準備する。
25分勉強したら5分休む。
一週間後、生徒が報告しました。
🔴 学習者
「先生、自分の部屋でも結構できました。」
🔵 講師
「前と何が違った?」
🔴 学習者
「スマホがないのが一番大きいです。」
🔵 講師
「取りに行きたくならなかった?」
🔴 学習者
「最初はなりました。」
🔵 講師
「どうした?」
🔴 学習者
「25分終わるまで我慢しました。」
🔵 講師
「25分後は?」
🔴 学習者
「見ました。」
🔵 講師
「戻ってこれた?」
🔴 学習者
「5分のつもりが15分になりました。」
私は笑いました。
🔵 講師
「そこはまだ改善できそうだね。」
🔴 学習者
「はい。」
それでも以前とは大きく違っていました。
以前は、
「自分の部屋だから集中できない」
と考えていました。
しかし、実際には場所そのものだけが問題だったわけではありません。
スマートフォン。
漫画。
ゲーム。
ベッド。
勉強を始める前の準備。
休憩時間。
そうした周囲の環境が、集中のしやすさに影響していたのです。
次の休日。
生徒は図書館でも勉強を試してみました。
次の授業で、私は尋ねました。
🔵 講師
「図書館はどうだった?」
🔴 学習者
「めちゃくちゃ集中できました。」
🔵 講師
「何分くらい?」
🔴 学習者
「一時間くらい。」
🔵 講師
「家より長いね。」
🔴 学習者
「周りの人も勉強してるから、自分だけスマホ見るのがちょっと嫌で。」
🔵 講師
「なるほど。」
🔴 学習者
「数学の文章問題も結構できました。」
🔵 講師
「じゃあ毎日図書館にする?」
生徒はすぐ首を振りました。
🔴 学習者
「それは無理です。」
🔵 講師
「どうして?」
🔴 学習者
「行くのが面倒です。」
🔵 講師
「大事なところだね。」
🔴 学習者
「集中は一番できるけど、毎日は行きたくないです。」
私はノートに書きました。
図書館
集中しやすさ ◎
始めやすさ △
続けやすさ △
生徒がそれを見て言いました。
🔴 学習者
「集中できる場所が、一番いい場所とは限らないんですね。」
🔵 講師
「そういうこと。」
三つの場所を試した結果、生徒には少しずつ特徴が見えてきました。
リビングは、すぐ始められる。
しかし、家族やテレビが気になることがある。
自分の部屋は、静かで集中できる。
しかし、スマートフォンや漫画があると気が散りやすい。
図書館は、とても集中できる。
しかし、毎日行くには負担が大きい。
🔵 講師
「じゃあ、結局どこが一番いいと思う?」
生徒はしばらく考えました。
🔴 学習者
「一個に決めなくてもいいんじゃないですか?」
私は少し驚きました。
🔵 講師
「どういうこと?」
🔴 学習者
「例えば、学校の宿題ならリビングでもできます。」
🔵 講師
「うん。」
🔴 学習者
「数学の難しい問題は、自分の部屋でスマホを置いてやる。」
🔵 講師
「うん。」
🔴 学習者
「テスト前とか、長く勉強したい日は図書館。」
🔵 講師
「いいね。」
生徒は、自分のノートに新しい学習場所の使い分けを書き始めました。
リビング――宿題・英単語・短時間学習
自分の部屋――数学・英語長文・集中したい勉強
図書館――休日・テスト前・まとまった学習
そして、その使い分けを実際に始めてみると、生徒の中にもう一つ大きな変化が現れ始めました。
「集中できないから今日は勉強できない」と考えるのではなく、
「今日やる勉強なら、どこでやるのが一番いいだろう」
と、自分で学習環境を選ぶようになっていったのです。
「場所を変えると、勉強のやり方まで変わる」
それからしばらくして、生徒は勉強内容によって場所を選ぶことが当たり前になってきました。
ある日はリビング。
ある日は自分の部屋。
休日には図書館。
場所を変えるだけでなく、「その場所で何をするか」まで意識するようになっていました。
ある日の授業で、私は一週間の様子を聞きました。
🔵 講師
「今週はどこで勉強した?」
🔴 学習者
「月曜日はリビングです。」
🔵 講師
「何をやった?」
🔴 学習者
「学校の宿題と英単語。」
🔵 講師
「火曜日は?」
🔴 学習者
「自分の部屋。」
🔵 講師
「どうして?」
🔴 学習者
「数学の文章問題をやりたかったからです。」
🔵 講師
「スマホは?」
🔴 学習者
「リビングに置きました。」
🔵 講師
「それなら集中できた?」
🔴 学習者
「かなり。」
生徒は少し得意そうでした。
私はさらに聞きました。
🔵 講師
「じゃあ木曜日は?」
🔴 学習者
「リビングでやろうと思ったんですけど、テレビがついていて無理でした。」
🔵 講師
「どうした?」
🔴 学習者
「自分の部屋に移動しました。」
🔵 講師
「前なら?」
🔴 学習者
「今日は集中できないから、やめてたと思います。」
私はうなずきました。
これは大きな変化です。
以前は、
「集中できない=勉強できない」
でした。
今は、
「この場所で集中できないなら、場所を変えればいい」
と考えています。
問題を自分の性格のせいにせず、環境を調整する発想が身についてきたのです。
ある休日。
生徒は図書館で一時間勉強しました。
次の授業で、そのときのノートを見せてもらいました。
🔵 講師
「結構進んでるね。」
🔴 学習者
「図書館だとやっぱり集中できます。」
🔵 講師
「毎日図書館にしたくなった?」
🔴 学習者
「いや、それは無理です。」
🔵 講師
「やっぱり?」
🔴 学習者
「行くまでが面倒です。」
二人で笑いました。
🔵 講師
「じゃあ図書館はどう使う?」
生徒は少し考えました。
🔴 学習者
「テスト前とか、長くやりたい日。」
🔵 講師
「いいね。」
🔴 学習者
「普段は家でいいと思います。」
🔵 講師
「その方が続きそう?」
🔴 学習者
「はい。」
ここで生徒は、「最高に集中できる場所」と「毎日使える場所」は違うことに気付きました。
図書館は集中できます。
しかし、毎日行くのは大変です。
自分の部屋は静かです。
でも、スマートフォンや漫画があると気が散ります。
リビングは始めやすいです。
ただし、家族の生活音が気になる日があります。
だから、一つに決める必要はありません。
大切なのは、
その日の目的に合った場所を選ぶこと
でした。
ある日、私は少し違う質問をしました。
🔵 講師
「もしテスト前日に、英単語を30個だけ確認したいならどこでやる?」
🔴 学習者
「リビング。」
🔵 講師
「数学の難しい問題を40分やりたいなら?」
🔴 学習者
「自分の部屋。」
🔵 講師
「休日に二時間くらい勉強したいなら?」
🔴 学習者
「図書館。」
🔵 講師
「迷わなくなったね。」
🔴 学習者
「前は『勉強は自分の部屋』って決めてましたから。」
🔵 講師
「今は?」
🔴 学習者
「勉強する内容で決めます。」
私は笑顔でうなずきました。
「自分に合う場所は、自分で作れるんですね」
その後、定期テストが近づきました。
生徒は自分で学習計画を立て、その横に勉強場所も書くようになっていました。
数学の文章問題――自室。
英単語――リビング。
理科のまとめ――自室。
休日の総復習――図書館。
私はその計画を見ながら言いました。
🔵 講師
「場所まで書いてあるね。」
🔴 学習者
「決めておいた方が楽なんです。」
🔵 講師
「どうして?」
🔴 学習者
「その時間になったら、そこに行くだけだから。」
🔵 講師
「迷わない?」
🔴 学習者
「前より全然。」
テストが終わり、結果が返ってきました。
点数も少し上がっていました。
しかし、私はそれ以上に、生徒の振り返り方に変化を感じました。
🔵 講師
「今回、一番よかったことは?」
🔴 学習者
「勉強場所を決めたことです。」
🔵 講師
「点数じゃないんだ。」
🔴 学習者
「点数も嬉しいです。でも、前より勉強しやすかったです。」
🔵 講師
「どういう意味?」
🔴 学習者
「前は、部屋で集中できないと『今日は無理』ってなってました。」
🔵 講師
「今は?」
🔴 学習者
「リビングに行くか、図書館に行くか考えます。」
🔵 講師
「なるほど。」
🔴 学習者
「だから、場所のせいで全部やめることが減りました。」
これは、学習環境を自分で調整する力がついてきた証拠でした。
授業の終わり、生徒がふと尋ねました。
🔴 学習者
「先生、結局どこが一番いい勉強場所なんですか?」
私は少し考えました。
🔵 講師
「君の場合はどう思う?」
生徒はすぐに答えず、ノートを見返しました。
🔴 学習者
「一番はないかもしれません。」
🔵 講師
「どうして?」
🔴 学習者
「リビングがいい日もあるし、自分の部屋がいい日もあるし、図書館がいい日もあるから。」
🔵 講師
「それが答えかもしれないね。」
🔴 学習者
「じゃあ、勉強場所って探すんじゃなくて、使い分けるものなんですね。」
🔵 講師
「そういう考え方もできる。」
生徒はさらに続けました。
🔴 学習者
「でも先生、最初は自分の部屋が悪いと思ってました。」
🔵 講師
「今は?」
🔴 学習者
「部屋じゃなくて、スマホとか漫画とか、周りのものも原因だった。」
🔵 講師
「そうだね。」
🔴 学習者
「だから、自分の部屋でもスマホを外に置けば集中できます。」
🔵 講師
「環境を変えたんだ。」
🔴 学習者
「はい。」
少し考えて、生徒は言いました。
🔴 学習者
「自分に合う勉強場所って、最初からあるんじゃなくて、自分で作れるんですね。」
私はその言葉に大きくうなずきました。
おわりに
勉強場所に、すべての子どもに共通する一つの正解はありません。
自分の部屋が合う子もいます。
リビングが合う子もいます。
図書館や自習室の方が集中できる子もいます。
そして、一人の子どもの中でも、勉強内容やその日の状況によって最適な場所は変わります。
大切なのは、
「どこで勉強するのが正しいか」
を決めることではありません。
どこなら今の自分が学びやすいかを考えることです。
さらに、場所そのものだけを見るのではなく、
スマートフォンはどこに置くか。
机の上には何を置くか。
テレビや生活音は気にならないか。
教材をすぐ取り出せるか。
休憩から戻りやすいか。
といった環境まで考えます。
今回の生徒も、最初は「自分の部屋では集中できない」と感じていました。
しかし、実際に試してみると、自分の部屋そのものが悪かったわけではありません。
スマートフォンを離し、漫画を見えにくくし、必要な教材だけを準備すると、同じ部屋でも集中しやすくなりました。
一方、短い宿題ならリビング。
長時間集中したい日は図書館。
という使い分けもできるようになりました。
「集中できないから、自分は勉強に向いていない」
と考える必要はありません。
集中しにくいなら、環境を変えてみる。
場所を変えてみる。
机の上を変えてみる。
スマートフォンとの距離を変えてみる。
そうやって試しながら、自分に合う形を見つけていけばいいのです。
良い勉強場所とは、誰かに決めてもらう場所ではありません。
自分が実際に学びやすく、また明日も使いたいと思える場所です。
そして、自分でその環境を選び、整えられるようになることもまた、「自分で学ぶ力」の一つなのです。
理論編はこちらから
⑪ 勉強場所はどこがいい?(理論編)
はじめに 「勉強するなら、自分の部屋が一番いいのでしょうか?」 「リビング学習の方が成績は上がりますか?」 「図書館で勉強した方が集中できますか?」 家庭学習について考えるとき、「どこで勉強するか」は意外に重要な問題です […]


