はじめに

「テスト前になると、何から勉強すればいいのか分からなくなります。」

家庭教師として生徒と話していると、よく聞く悩みです。

普段はそれほど勉強していなかったのに、テスト一週間前になった途端、

「数学もやらないと」

「英語も覚えていない」

「理科も社会も全然終わっていない」

と焦り始める。

そして、すべてを一気に終わらせようとして夜遅くまで勉強する。

ところが、睡眠不足で翌日の学校では集中できない。

勉強したはずなのに、テスト本番では思い出せない。

こうした経験がある子は少なくありません。

テスト前に大切なのは、ただ勉強時間を増やすことではありません。

限られた時間の中で、何を優先し、どのように仕上げるかを考えることです。

テスト前は「新しいことをたくさんやる期間」というより、

これまで学んできた内容の中から、点数につながる部分を整理し、できないところを減らしていく期間

と考えると分かりやすくなります。

今回は、定期テストを前にしたときに、どのような考え方で過ごせばよいのかを具体的に整理していきます。


テスト前は「全部やる」より「優先順位を決める」

テスト範囲表を見ると、勉強しなければならないことが大量にあるように感じます。

数学。

英語。

国語。

理科。

社会。

さらに、それぞれに教科書、ワーク、プリントがあります。

これを全部同じように勉強しようとすると、時間はいくらあっても足りません。

まず「できる・不安・できない」に分ける

テスト勉強を始める前に、範囲を三つに分けます。

① すでにできるところ

② 少し不安なところ

③ できない・分からないところ

この分類をするだけで、何を優先すればよいか見えやすくなります。

例えば数学で、

計算問題はできる。

方程式もある程度できる。

文章問題が苦手。

という状態なら、計算問題を何十問も繰り返すより、文章問題に多くの時間を使った方が効率的です。

「あと少しでできる」を先に得点へ変える

限られた時間の中では、まったく分からない難問だけに何時間も使うより、

「少し復習すればできそう」

という問題を確実に取れるようにすることも重要です。

例えば、

公式を忘れていただけ。

単語を少し覚え直せばいい。

計算ミスを直せば正解できる。

こうした部分は、比較的短い時間で得点へつながりやすいところです。

得意教科だけ勉強しすぎない

テスト前になると、自分が得意な教科ばかり勉強する子もいます。

得意な教科は問題が解けるので、勉強していて気持ちがいいからです。

しかし、それだけでは全体の点数は伸びにくくなります。

得意教科を維持しながら、苦手教科の中でも「改善しやすい部分」に時間を回す。

このバランスが大切です。


テスト一週間前からの勉強は「仕上げ」に近づける

テスト前日に初めて範囲を確認するのでは遅すぎます。

できれば、テスト範囲が分かった段階から少しずつ準備します。

最初の段階では「穴」を見つける

テスト一週間前くらいなら、まず学校のワークやプリントを解きながら、

「どこができないか」

を確認します。

この段階では、点数を取るための仕上げよりも、

弱点を見つけること

が重要です。

間違えた問題には印を付けます。

分からなかった問題にも印を付けます。

あとで見直すためです。

中盤では「できない」を減らす

テストまで数日になったら、間違えた問題を中心に解き直します。

新しい問題を次々と増やすより、

一度間違えた問題。

二回間違えた問題。

説明を読んでも不安な問題。

これらを優先します。

テスト前になるほど、

「何ページ進んだか」

より、

「できない問題が何問減ったか」

を見ることが大切です。

直前は「確認」に近づける

テスト前日や当日は、難しい新しい問題へ大量に挑戦するより、

公式。

英単語。

漢字。

理科・社会の重要用語。

これまで間違えた問題。

などの確認へ比重を移します。

直前になって、

「まだ知らないことを全部覚えよう」

とすると、焦りが大きくなります。

テスト直前は、これまでやってきた内容を整える時間と考えます。


テスト前ほど「勉強時間」より「勉強内容」を見る

テスト前になると、

「昨日は三時間勉強した」

「友達は五時間やったらしい」

という話になることがあります。

しかし、勉強時間の長さだけでは成果は分かりません。

「三時間やった」だけでは不十分

三時間机に向かっていても、

教科書を何となく読む。

ノートをきれいにまとめ直す。

できる問題ばかり繰り返す。

途中で何度もスマートフォンを見る。

という状態なら、十分な成果につながらないことがあります。

反対に、一時間でも、

間違えた問題を解き直す。

英単語を覚える。

苦手な単元を確認する。

という学習ができれば、非常に中身の濃い時間になります。

「今日できるようになったこと」を確認する

一日の終わりには、

「今日は何時間勉強したか」

だけでなく、

「何ができるようになったか」

を確認します。

例えば、

「連立方程式の文章問題が解けるようになった」

「英単語を30個確認できた」

「理科の苦手な単元を一つ復習した」

という形です。

この振り返りができると、翌日に何をすればよいかも明確になります。

教科を切り替える

同じ教科を何時間も続けていると、集中力が落ちることがあります。

例えば、

数学30分。

英語30分。

休憩。

理科30分。

というように切り替える方法もあります。

特に、

計算。

暗記。

読解。

を組み合わせると、学習内容に変化が生まれます。


テスト前こそ生活リズムを崩さない

テスト前になると、

「寝る時間を削ってでも勉強しなければ」

と考える子がいます。

しかし、テスト本番で頭が働かなければ、せっかく勉強した内容を十分に使えません。

前日に徹夜しない

前日の夜に、

「まだ全部終わっていない」

と焦ることがあります。

しかし、睡眠時間を大きく削って勉強を続けると、翌日に強い眠気が出ることがあります。

テストは、覚えたことを思い出し、問題を読み、考え、答える時間です。

そのためには、体調を整えて本番を迎えることも重要です。

「夜遅くまで勉強=頑張っている」ではない

長時間勉強している姿を見ると、保護者としては、

「頑張っているな」

と思うかもしれません。

しかし、夜中まで毎日勉強しなければ間に合わないのであれば、学習計画そのものを見直した方がよい場合があります。

テスト前だけ無理をするより、普段から少しずつ復習しておく方が負担は小さくなります。

食事や休憩も軽視しない

テスト前だからといって、一日中机に向かい続ける必要はありません。

食事をする。

休憩する。

少し体を動かす。

お風呂に入る。

そして眠る。

こうした日常生活を極端に崩さないことも、テスト勉強の一部です。

不安になったら「残っている量」だけを見ない

テスト前になると、

「あれも終わっていない」

「これも覚えていない」

と、できていないことばかり見てしまいます。

そんなときは、

「ここまではできるようになった」

という部分も確認します。

不安をゼロにすることは難しいかもしれません。

しかし、自分が積み重ねてきた学習を確認することで、少し落ち着いて本番を迎えられます。


テスト当日まで「点を取る準備」を続ける

テスト勉強は、前日の夜で終わりではありません。

当日の過ごし方にも工夫があります。

朝は新しい難問より確認

テスト当日の朝に、今まで一度も理解できなかった難問へ挑戦すると、かえって不安になることがあります。

それより、

公式。

単語。

用語。

昨日確認した内容。

などを軽く見直します。

「これなら分かる」

という内容を確認することで、落ち着いて本番へ入りやすくなります。

テスト直前に友達と比べすぎない

学校へ行くと、

「昨日何時間やった?」

「ここ覚えた?」

「この問題出るらしいよ」

という会話になることがあります。

そこで、

「自分は全然やっていない」

と急に不安になることもあります。

しかし、他の人が何時間勉強したかは、自分の答案には直接関係ありません。

直前になったら、自分が準備してきた内容に集中します。

分からない問題で止まりすぎない

テスト本番では、一問分からない問題があるだけで焦ってしまうことがあります。

その問題に何分も使い、後ろの簡単な問題を解く時間がなくなればもったいありません。

まずできる問題から取る。

難しい問題には印を付けて後から戻る。

こうした時間配分も、テスト前に意識しておきたいことです。

テストが終わった教科を引きずらない

一つの教科で失敗したと感じても、次の教科はまだ始まっていません。

「あの問題間違えた」

と考え続けるより、

「次の教科で取れる点を取ろう」

と切り替えます。

テスト期間全体で考えることが大切です。


おわりに

テスト前に大切なのは、ただ長時間勉強することではありません。

何ができていて、

何が不安で、

何ができていないのか。

まずそれを整理します。

そして、

得点につながりやすいところから仕上げる。

間違えた問題を解き直す。

できない問題を少しずつ減らす。

直前には復習と確認を中心にする。

睡眠や生活リズムを崩しすぎない。

こうした流れをつくります。

テスト前になると、

「全部やらなければ」

という気持ちになりやすいものです。

しかし、限られた時間ですべてを完璧にすることは難しい場合があります。

だからこそ、

「残っていることを全部やる」ではなく、「今から何をすれば一番点数につながるか」を考えること

が大切です。

そして本当に理想なのは、テスト前だけ突然勉強する状態ではありません。

普段から少しずつ家庭学習を続け、テスト前には「一から勉強する」のではなく「仕上げる」状態へ持っていくことです。

テスト前の正しい過ごし方とは、焦って勉強時間を増やすことではありません。

今ある時間と自分の理解度を見ながら、必要な学習を選び、体調を整え、本番で自分の力を出せる状態をつくることなのです。



実際の例はこちらから

⑭ テスト前の正しい過ごし方(実践編)

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